まだスマホも携帯電話が一般的ではなかった頃の話です。
女子大生Yは、久しぶりに独り暮らしをしている高校時代の友人で別の大学に通うSの家に一泊する前提で遊びに行きました。
Y「ねえ、この部屋の芳香剤、良い香りだけど強すぎない?」
S「でしょ~。親から貰った芳香剤だけど、使ってみると強すぎなんだよね。勿体ないからそのままだけど良い芳香剤あったら教えて?」
といった具合に、お菓を食べながらのお喋りや勉強会などに夢中になっているといつの間にか夜を迎え、2人は寝ることにしました。
部屋にはシングルベッドが1つしかないので、話し合った結果、Yが床に布団を敷き、Sがベッドに寝ることになりました。
さて、Sが電気を消してのですが、消してから程なくYは起きると、
Y「ねえ、近くのドラッグストアに行きたいんだけど、一緒についてきて?」
と唐突に言い出しました。
S「それ、明日じゃなきゃダメ?」
と眠くて面倒に思ったSは断るのですが、
Y「夜道は危ないし、怖いし、今日中に買わなきゃいけないものだから、一緒に今すぐ行こう!」
と言って執拗にドラッグストアまでついて行くようにせがむのでした。
根負けしたSはドラッグストアまでついて行くことにしましたが、Yは外に出るとSの手を引っ張って走り出し、ドラッグストアにつくと、YはSに青ざめた顔でこう言ったのでした。
Y「私が布団に入ろうとしたら、ベッドの下に、恐い顔でSの方を睨んでる男がいたの・・・」
それを聞いたSは大変驚きながら、ドラッグストアから警察に通報し、警察が来ると、Yは警察に事情を説明しました。ベッドの下にいた男の特徴についてYは説明していると、話を聞いていたSは段々と冷や汗をかき、まるで幽霊にでも出会ったかのような顔をしながら、
S「この人じゃない・・・・?」
と言って、持っていた財布から、表情は違っていましたが、ベッドの下にいた男と同じ人物が写っている写真を見せました。Sが言うには元彼なのだとか。
警察がSの家を捜索しましたが、ベッドの下はおろか、Sの家から元彼と思われる男が見つからず、逃げた形跡もなかったそうです。後日ストーカーによる事件として被害届を出すことやしばらく警察が巡回することなど今後の対応を話した後、警察は帰りました。
そのまま眠りについたのですが、Sがベッドの中でボロッと呟くのが耳に入りました。
S「・・・・・生きてたの?」と
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