今から20年以上前、私がまだ学生だった頃の話です。当時私は関西にある専門学校の2年目で、仲の良かった友達とルームシェアをしていました。

その友達には2つ下の妹がおり、1年の時に同じく関西にあるその友達の実家へ遊びに行った時に初めて会ったのですがとても可愛らしい受験を控えた高校生でした。

それから2度ほど連絡があり、私たちがルームシェアしている部屋に来た事もありました。その後、その友達から「妹がお前を気に入っているようだ」と言われたのですが、なんだか恥ずかしいのもありそれ以来なかなか会う機会がなかったのですが、残念なことにその後会う事叶わなくなってしまったのです。

その翌年の1月、あの阪神淡路大震災により彼女は家族と共に命を落としてしまいました。友達は家族を失い非常に憔悴して戻ってきましたが、表面上はカラ元気でふるまっていました。

ですが、その時から家で奇妙な事が起こるようになりました。ポルターガイストほどの大きな事ではなかったので最初はあまり気にしていなかったのですが、使っていない歯ブラシがなぜか濡れたまま洗面所に放置されていたり、当時持っていたポケベルに奇妙なメッセージのような着信がたびたび入るようになりました。

そしてある時友達が法要の為に帰っていた田舎からもどった時、霊感などまったくなかった私にもわかるほどの違和感を感じました。
ですが、友達の雰囲気が暗い為に勘違いしたのだと思い聞かせその夜は寝ました。

そしてなぜか2時半頃に誰かに呼ばれているような感じがして目が覚めると、私のポケベルが鳴りました。その瞬間身体が動かなくなり声も出なくなり、一気に冷や汗が吹き出しました。

私は必死に友達を呼ぼうとしましたが、声は出ないしポケベルの音にも反応しません、すると電話が鳴り響きました。動けない私は動かせる首だけを必死に動かして電話を見ましたが、友達も起きてこないので電話は自動的に留守番電話に切り替わったのです。

「ただいま、電話に出る事が出来ません、ピーっとなった後にご用件をお話ください」

「ピー。。。。。。。。。」

何も聞こえないなと思ったその時、私の耳元で「やっと会えたね」と言う友達の妹の声が聞こえ何か黒いものに包まれるような感じがしました。その時友達が部屋から飛び出して来て「どうした!」と言った瞬間フッと気配は消えてしまいました。

それから友達にはあった事をそのまま話し、供養に行かせてほしいと頼みさっそく次の日に彼女のお墓に供養に行きました。あれ以来そのような事は起こっていません。

霊感が無いはずの私の今までで唯一の恐怖体験でした。