栃木県宇都宮市には、新装開店の店の、祝いの花輪の花は、
誰でも持ち帰っていいという言い伝えがあります。
通りすがりの誰が持ち帰ってもいいのです。
特に熟年以上の人は性別に限らず、そう信じています。
早く無くなった方が、その店が繁盛するという
まことしやかな都市伝説まであります。
熟年以上の人たちの手腕は驚くべきものがあります。
もちろんその店の為なのですから、店員に許可はもらいません。
繁華街にあるような店なら、
遅れを取ると自分の目当ての花は無くなります。
少し遠くからその花だけを目指して歩いて来ます。
現場に到着すると、素早くその花を引き抜きます。
それからはじっくりと自分の家の花瓶と、
初めに抜いた花との相性を考え、
まるで自分が花屋さんにでもなった様に3、4本引き抜きます。
但し、春の山菜採りと同じで、大輪の花、中輪の花、小花、
配色まで考えて、後から来る人の分を残します。
もしも自分のことしか考えずに
たくさん引き抜いて行く人がいるとしたら、それは宇都宮っ子の恥です。
風上にもおけません。
但し、宇都宮の人たちは、心からその店の繁盛を考え、
そのお裾分けとしてもらうような気持ちでいますが、
県外から参入してくる店の経営者や店員の中には、
カルチャーショックを受けている人も見受けられます。
宇都宮っ子の代表として言いますが、
本当に心から繁盛をお祈りしているのですから、怖がらないで下さいね。
これから宇都宮市に参入を考えている方にお願いします。
花は抜きやすくしてくださいね。
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