山で薬草を摘んでた若い娘は、風に混じって囁きを聞いた。「こっちへおいで」と甘く響き、木々の間から声が近づく。道を外れると、苔むした石に血の跡が付いてて、声が大きくなった。家に帰ると、声が耳に残り、夜に窓を叩く。翌日、山に戻ると、石が動き、声が娘の名前を呼ぶ。ある夜、窓の外に白い顔が浮かび、囁きが家の中まで響いた。

村の婆さんに聞くと、「あの山は昔、娘を呼ぶ声がしてた。戻らん子もいたよ」と言われた。娘は今、山に近づかず、耳を塞ぐけど、声が頭に響く。

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