主婦が台所で皿を洗っていると、古いラジオからビートルズの曲が流れた。電源は切れているはずなのに、「Let It Be」が響き、放置していた恐怖が蘇る。驚いてラジオを捨てたが、夜、音が独りでに鳴り、声が「置いてけ」と囁く。翌日、ラジオが台所に戻り、音が冷たくなる。静寂を破ってスピーカーが震え、黒い目がこちらを見つめた。主婦は悲鳴を上げて逃げたが、翌朝、ラジオは元の場所に戻り、埃が床に残っていた。

近所に聞くと、「そのラジオ、昔、変なことがあったって噂だよ」と教えてくれた。主婦はラジオに近づかず、目を閉じるが、曲が背後に漂う。あれはまだ置いてあるのだろうか。