暗い日曜日は原題「Sombre Dimanche」、
ハンガリーで1933年に発表された歌。

自殺の聖歌として各国に知られている。

苦しさに耐えかねたなら、いつか日曜日に死のう」と、
歌詞も直球に自死についての歌。

世界各国でこの曲を聞いたこととの関連づけが可能な
自殺が相次いだ魔の曲とされている。

ハンガリーのブダペストでは、遺書に歌詞の一節を書き残すなど
明らかに関連があることが証明されている自殺が17件起きている。

ハンガリーでの自殺だけにとどまらず、
世界各地でレコードを抱いたまま自殺したり、
葬式でこの曲を流すよう遺書に書き記した事件が起きている。

日本でも多くのアーティストがカヴァー版として音源を発表しているが、
70年代にこの曲をカヴァーしたジャズサックス奏者の阿部薫は1978年に、
またその約10年後妻であった鈴木いづみが1986年にそれぞれ自殺した。

実際に曲を聞いてみると、確かに陰鬱な歌詞とメロディで
気分が明るくなるような曲ではないが、
そこまでの魔力が秘められているようには思えない。

ただ原曲では、現在の基準とチューニング(A/ラ=440Hzなど)
が若干異なるため若干不安定な気持ちにはなる。

ヨーロッパ圏ではテルミンの音域で不協和音を奏でると
人の精神に激しく作用を及ぼす
とされたという説もあるが、
ロックなどテンポの早い曲を聴くことでテンションがあがったり
下がったりすることも併せて考えると、
もともと死を望んでいたひとの背中を押すには
充分なものを持ちあわせた歌だったのかもしれない。