鹿児島県の限られた地域(大隅半島周辺)にあった風習で、
嫁を「おっとる:盗る」略奪婚の風習
おっとい嫁じょ』といいます。

この風習が注目を集めたのは、
昭和34年におきた強姦事件がきっかけです。

おっとい嫁じょは女性を無理やり襲えば、
その女性は襲った男の嫁になる
というとんでもない風習です。

主犯の男はA子さんを気に入ったのですが、
A子さんにはその気がなく主犯の男が
熱心に口説いても相手にされません。

ごうを煮やした主犯の男は仲間とともにA子さんを監禁して、
なんと全員でA子さんと行為に及びます。

主犯の男性がこれはおっとい嫁じょなのだから、
後はA子さんと両親が挨拶に来ると思っていましたが、
そこに現れたのは警察です。

強姦罪で主犯の男性とその仲間が逮捕され、
裁判にかけられるのですが弁護士は無罪を主張します。

これは犯人たちの住む地域ではおっとい嫁じょという風習で、
犯人たちにはそれが犯罪だという認識がないというのです。

驚くのは主犯の男が住む村の住人が署名を集め、
犯人達の情状酌量を訴えます。

学校の校長が、
昔は私も提灯を持って男を手引したことがあるといい。

地元の風習にどうしてお前たちが文句を言うのだと、
警察を批判する者もいて。

今では考えれない光景がそこでは繰り広げられます。

もちろん主犯の男性含めて、
犯人たちには有罪がくだされます。

地域の風習といっても、
犯人たちには犯罪だという認識があったことが
判決文に記されています。

もちろん今ではおっとい嫁じょを行うような人はいませんが、
ときおりこの事件に近いことを言う人を見ると
心底呆れてしまいます。